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栃木研修 日下田藍染工房さん

さて 2日目の早朝からお伺いしたのは

日下田藍染工房さん

 

重要文化財になっている工房は築220年。

茅葺の屋根の入り口までにあらゆる含藍植物の鉢植えが並んでいます。

 

工房には72個の藍甕がずらりと並び、藍液の保温のために燃やす籾殻の煤で

天井、壁、梁が 厚みのある黒色に染まっていました。

 

こちらの当主、9代目の日下田(ひげた)正さん。

とっても素敵な方でした。

腰が低くていらして、自身のお仕事にひたすら実直...そんな印象

 

跡を継がれる時にはすでに 藍染で生きていくには厳しい時代。。

藍染だけではなく、地元の綿を育てて、染め、織りまで完結した仕事をしようと

柳悦孝氏の下で染め織りを学ばれ、「益子木綿」を栽培し、

植物染料で染め、羊毛のホームスパンのように混色をして紡ぎ

複雑な組織織りで反物を織っておられます。

何ともすごいお仕事。

 

これまで繋いでこられた伝統工芸、工房

今後のことが気になります。

 

娘さんがいらっしゃるそうですが

「好きなことをしたらいいと思っています。藍染では生活できませんから。

私だけじゃない、周りの伝統工芸の者みんな同じです。

あと5年、10年先にはみな辞めてしまっているでしょうな...

跡を継ぐ者がいたとしてもそれで暮らしていけなければ成り立ちませんから

これは仕方のないことなんです。」

 

何ともやり切れない思い。。

これまでにも失われてきた伝統工芸、手仕事は数限りなく

失われるときは一瞬で、ひとたび失われれば本来の姿に再興するのはとても難しい

ほんの一角を見ているに過ぎないのだとしても

その一瞬を見過ごしていいのだろうか やり切れない思いが渦巻きます

 

 

 

 

 

 

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栃木研修 紺邑さん

 

もう2ヵ月前の9月のことですが

 

栃木県佐野市

紺邑さんを訪ねました。

 

春に、松本で催されていた絨毯の展示会に出店されていた業者さんから

紺邑さんのお名前をはじめてお聞きして、

以来ずっと気になっていました。

 

HP、blog、Facebookなどで情報発信されている内容が

とっても共感を覚えるものだったからです。

 

すくも藍を灰汁だけで仕込み、発酵させて藍を建てる

「地獄建て」をされていること、

藍の華は「咲かせない」こと、

藍の液は「におわない」とおっしゃっていること。

 

とくにこの3点が興味深かった

 

紺邑さんのHPに 詳細に藍建ての方法と種類について説明がありますが

地獄建ては その名の表わすとおり地獄のように厳しく難しい藍建て

という私的解釈でしたが、

何も難しいことはない、これが室町時代から伝わる 本来の藍建てだ、ということで

紺邑さんは「本建て正藍」染め、と表記されています。

 

 

藍の華を「咲かせない」というのは 感覚的に理解できました

「華」は 藍が建っていれば、撹拌時に大きく棒で混ぜれば遠心力で泡が真ん中に集まって

自然とできるもの。

撹拌することは 必要だけれども、過分な撹拌、つまり過分な酸素を藍液に入れることは

通常 無酸素状態で生きている藍の微生物にとって 負担になりうる、という点で

合点がいったからです。

 

 

1日目は 紺邑さん 

2日目は 益子の日下田さん(220年続く藍染工房)...と

ざくっと予定を決めて。。

 

 

 

 

快晴!ではありませんでしたが お日さまが見え隠れするお天気。

紺邑さんの工房は それはそれは すばらしい環境にありました。

 

 

紺邑 主宰の大川さんは とっても気さくで 博識で 

いろんなことを教えてくださり、私たちの質問にも明確に、的確に、

答えてくださいました。

何より、今の日本の藍染工房、藍染製品の実情をみて、これでは日本の藍の将来はないと

本来の正藍染のひとつひとつを、すべて公開し、教えておられる

普通ならば、ご自身で築き上げられた知識、知恵、技は守りたいものだろうと

思いますが、とっても視野の広いユニークな方でした。

 

 

私が今建てているすくも藍は、屋外に毛布ぐるぐる巻き状態で管理しています。

11月上旬の今の時点ではもう液温が冷たく、微生物たちも冬眠に入ろうとしています。

紺邑さんに倣い、来春暖かくなったら、「いい灰」で「いい灰汁」を取って、

ふるい灰汁と入れ替えてあげようと思います。

そして、麩なしで、灰汁だけの力、灰汁のミネラルで、建ててみる。

とっても、楽しみです!


 

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