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京都の各協賛店での同時イベント(素材市、ワークショップ)
手の込んだ作品が多かった〜
15年ぶりの開催だったんですね..
やっぱしポンタさんのバイタリティはすごいなー あらためて感じます。
ちあきさんと久しぶりに 会えてよかったです
師匠の一番弟子の伊藤久仁子さんも
トワイニング織りのワークショップ講師として参加...
残念ながら平日開催のためお会いできず
伊藤さんのラグは 師匠のそれと同じく ヤギ、ヤク、勿論ウール、アルパカ
など 原毛を紡いだものを体全身でザクザク織っていく感じ
重厚感があるのに大陸のカラっとした においとか風を含んでるみたい
前に 東中野の個展にお邪魔したとき スケールの大きさと 人柄のこころの広さを感じた。
また そのうち会いたいです..
すごく素敵な嶋台ギャラリー(築400年の元 生糸商町屋)では
京都の老舗糸屋さんが集合。
昭和村のカラムシ(苧麻)に大麻、亜麻にサイザル麻
パイナップル繊維、楮、葛 など植物繊維もたくさん!
カラムシは やっぱり福島 昭和村のものが品質は良いよと言っていた
その辺のカラムシでは 績むのが難しいのかな..
気候、土、収穫時期で繊維状態も大分変わるのだそう。今 昭和村はどうなってるのかな..
しかし触ってみて 改めて...植物繊維ってふしぎ。
中でも・・・
カラムシ、大麻、葛、植物というか草木の茎の繊維をとるもの。
綿とか絹みたいに 手に吸い付くような感覚がまるでない..
昨日 月ヶ瀬の奈良晒保存会の展示会に行って、紡ぐと績むの違いが
分かった気がする。確かに「紡ぐ」という仕事ではない...
繊維を 割き、つなぎ、ヨリをかけて糸に強度を持たせる。
頭をドカンと打たれた気がした。
ものすごい手間なのだ
woolを紡いだり、綿を紡ぐのとはワケが違う。
しかも この績む仕事が上手くいかないと、縦糸をかけたときに
すぐに切れてしまうのだそう...
実物を見せてもらったけど、気が遠くなりそうだった...
奈良晒は 江戸時代まではカラムシを使っていたが明治以降に大麻に変わったそうだ。
ずっと、国の栽培許可が下りている群馬県の大麻を使っているらしい。
そもそもの発祥は 後醍醐天皇が足利尊氏に追われて
ここへ逃げてきた時、お付のお妾さんが織の名手で広めたことがキッカケらしい
88歳になる おばあちゃん(魔法の手の先生と呼ばれていた)に
小一時間いろんな話を聞いていたのだけれど、この方の家では代々やはり
奈良晒の仕事をされていて 主には伊勢神宮の神主さんたちが着る衣を
つくって献納していたのだそう。
(今は織ることはせず、最後の仕上げだけ請け負っているそうだ)
おばあちゃんのおじいさん(明治)が精力的に織の勉強をするべく
単身 奈良から沖縄へ上布の修行をしに。
今生の別れと思い出発前には酒を酌み交わしたらしい。
やっぱり織は 主に農閑期になる冬の仕事だったそう。
地道な績む仕事は おばあちゃんたちの夜なべの仕事。
次の日に できるだけたくさん織れるように、一生懸命 夜な夜な績んだそうだ。
それにしても、績んだ糸は神々しく
織られた布は 背筋の伸びるように ただしく...
これはやはり ただの織物ではなく
弓道の感覚に近いかもしれない。自分を無にして身につけた技を日々淡々と
まさに績むように繋いでいく...精神を律する先に、確かな織物がある、そんな感じ。
あらためて
今身近に出回っている繊維: 動物繊維(ウール、絹)
植物繊維(綿、麻(ほとんどがリネン))は
実用という面でやっぱり繊維競争に勝ち残った素材なんだろうなぁ...
使いやすさを選ぶあまり 捨ててきてしまった文化や伝統は数限りなく。
また それを選び取ってきたのも理由があるんだよな...と思いつつ。
敢えて いまそれを掘り出して、続けるには なんだか分からないけど
ものすごく意味が必要な気がする。
あーおなか一杯。