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create a day.
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これぞ、信州でしょうか
先の大寒波からずっと ここ安曇野も一面 白で塗られています。
清濁併せ呑んで、すべて「白」になるというのは
とても気持ちが穏やかになって いいものです
寒い時で夜はー10℃付近。
ところで・・今の藍ちゃんはというと
雨は掛からないですが、完全に外にいらっしゃいます。
100ℓのポリ寸胴甕に今はおよそ60ℓ程度の藍液、
仕込み〜建ち上げの時だけ電気毛布を使用しましたが、それ以外は
熱源なしで、毛布、綿布団、上下に座布団。ずっとこの状態です。
気温が低くなって、液温が20℃を下回った11月から
今まで、撹拌も何もいっさいせず、そのまんま3ヵ月が経ちます。
今の藍液を覗いてみますと・・
酸化膜ができてます。
寒いのに生きているんだなぁ たくましいなぁ〜
液温を計ると、1℃。
つめた〜い!
pHメーターは通常、サンプルが25℃状態での比較で見るものですから
値を比べることはできませんが、計ってみたら(液温が低すぎてErrorになるかと思った。。)
9.5。
放置していた割に、というかやはりというか、
微生物たちが ぎりぎりの線で自然と均衡を保っているように思えます。
藍液の表面。
なんとも...美しい!
緑、藍、紫、茶...いろんな色が交じりあい、
活性していないので とっても静かな表面ですが、
夏場の染めているときの藍液とは全然違い、また、より宇宙的な感じがします。
(今この中で微生物たちはどうなってるんだろう〜)
3月になったら、インド方式に地面に甕を埋め込んでしまおう♪計画をしています。
はやく春にならないかな〜〜!
さて 2日目の早朝からお伺いしたのは
日下田藍染工房さん
重要文化財になっている工房は築220年。
茅葺の屋根の入り口までにあらゆる含藍植物の鉢植えが並んでいます。
工房には72個の藍甕がずらりと並び、藍液の保温のために燃やす籾殻の煤で
天井、壁、梁が 厚みのある黒色に染まっていました。
こちらの当主、9代目の日下田(ひげた)正さん。
とっても素敵な方でした。
腰が低くていらして、自身のお仕事にひたすら実直...そんな印象
跡を継がれる時にはすでに 藍染で生きていくには厳しい時代。。
藍染だけではなく、地元の綿を育てて、染め、織りまで完結した仕事をしようと
柳悦孝氏の下で染め織りを学ばれ、「益子木綿」を栽培し、
植物染料で染め、羊毛のホームスパンのように混色をして紡ぎ
複雑な組織織りで反物を織っておられます。
何ともすごいお仕事。
これまで繋いでこられた伝統工芸、工房
今後のことが気になります。
娘さんがいらっしゃるそうですが
「好きなことをしたらいいと思っています。藍染では生活できませんから。
私だけじゃない、周りの伝統工芸の者みんな同じです。
あと5年、10年先にはみな辞めてしまっているでしょうな...
跡を継ぐ者がいたとしてもそれで暮らしていけなければ成り立ちませんから
これは仕方のないことなんです。」
何ともやり切れない思い。。
これまでにも失われてきた伝統工芸、手仕事は数限りなく
失われるときは一瞬で、ひとたび失われれば本来の姿に再興するのはとても難しい
ほんの一角を見ているに過ぎないのだとしても
その一瞬を見過ごしていいのだろうか やり切れない思いが渦巻きます
もう2ヵ月前の9月のことですが
栃木県佐野市
紺邑さんを訪ねました。
春に、松本で催されていた絨毯の展示会に出店されていた業者さんから
紺邑さんのお名前をはじめてお聞きして、
以来ずっと気になっていました。
HP、blog、Facebookなどで情報発信されている内容が
とっても共感を覚えるものだったからです。
すくも藍を灰汁だけで仕込み、発酵させて藍を建てる
「地獄建て」をされていること、
藍の華は「咲かせない」こと、
藍の液は「におわない」とおっしゃっていること。
とくにこの3点が興味深かった
紺邑さんのHPに 詳細に藍建ての方法と種類について説明がありますが
地獄建ては その名の表わすとおり地獄のように厳しく難しい藍建て
という私的解釈でしたが、
何も難しいことはない、これが室町時代から伝わる 本来の藍建てだ、ということで
紺邑さんは「本建て正藍」染め、と表記されています。
藍の華を「咲かせない」というのは 感覚的に理解できました
「華」は 藍が建っていれば、撹拌時に大きく棒で混ぜれば遠心力で泡が真ん中に集まって
自然とできるもの。
撹拌することは 必要だけれども、過分な撹拌、つまり過分な酸素を藍液に入れることは
通常 無酸素状態で生きている藍の微生物にとって 負担になりうる、という点で
合点がいったからです。
1日目は 紺邑さん
2日目は 益子の日下田さん(220年続く藍染工房)...と
ざくっと予定を決めて。。
快晴!ではありませんでしたが お日さまが見え隠れするお天気。
紺邑さんの工房は それはそれは すばらしい環境にありました。
紺邑 主宰の大川さんは とっても気さくで 博識で
いろんなことを教えてくださり、私たちの質問にも明確に、的確に、
答えてくださいました。
何より、今の日本の藍染工房、藍染製品の実情をみて、これでは日本の藍の将来はないと
本来の正藍染のひとつひとつを、すべて公開し、教えておられる
普通ならば、ご自身で築き上げられた知識、知恵、技は守りたいものだろうと
思いますが、とっても視野の広いユニークな方でした。
私が今建てているすくも藍は、屋外に毛布ぐるぐる巻き状態で管理しています。
11月上旬の今の時点ではもう液温が冷たく、微生物たちも冬眠に入ろうとしています。
紺邑さんに倣い、来春暖かくなったら、「いい灰」で「いい灰汁」を取って、
ふるい灰汁と入れ替えてあげようと思います。
そして、麩なしで、灰汁だけの力、灰汁のミネラルで、建ててみる。
とっても、楽しみです!
今年は 初チャレンジなことがいっぱい
そのうちのひとつが、「藍の種を植えて育てて 生葉で染める」
時期は遅かったけれど5月末
プランターとポットで発芽させて
藍の畑 予定地を耕して
土が馴染んだころ 藍ベイビーたちを ひとつひとつ畑に移植して
立派に大きくなってくれました
新芽を残して刈り取って、生葉染め。
葉に含まれる 酵素と、インジゴの元インジカンを水の中でもみ出すと
酵素がインジカンを加水分解してインドキシルにしてくれる
インドキシルは酸化するとインジゴになるので
生葉染めの間は できるだけ空気に触れる時間を少なくしなければいけない
建て染めのように深くて濃い藍色はでないけれど
とってもさわやかな、澄んだ水色
そしてウールをきれいに染めてくれる
やる度に、少しずつ違う水色がもらえて楽しい
染めるときに 藍の葉のとろっとした酵素にまみれて染めるのも楽しい
色ってふしぎ。
成長記録
藍のグラデーション
上の2色は建て染めの色。
生葉の色は太陽の光で なかなかうまく撮れてくれない...
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